2009年2月21日(土)、晴れわたった空の下、名古屋城くの愛知県産業貿易館で「
第2回 N-1グランプリ」が開催されました。
「N-1グランプリ」とは、愛知県・岐阜県・三重県で創業7年以内の若い企業が集まるビジネスの祭典。企業によるブース展示のほか、プレゼン力を競う「プレゼンの星」、これからの東海3県を担う若手企業を表彰する「N-1グランプリ」、そしてNICeチーフプロデューサー
増田紀彦氏による講演など、盛りだくさんの内容。またNICeも後援団体に名を連ねただけでなく、ブースを出して活動をアピールしました。
今回の実行委員長は、NICeでは「ミスターつながり力」でおなじみの
菅沼之雄氏。ステージの司会は「かおりんご」さんこと
梶田香織氏。そのほか、多くのNICeメンバーが今回の祭典のスタッフを務め、そろいのジャンパーを着用!
各ブースにもNICeのプロフィール写真で見知った顔が勢ぞろい。当日は、103社120ブースがブース出展、約1100人の来場者を迎えることができました。
■開会式
梶田香織氏は朝から打ち上げまで、
終日美声を披露し続けた |
梶田氏の美声で祭典がスタート。
「晴れ男」と紹介されて舞台に上がったのは、実行委員長の菅沼氏です。
「ずっと準備をしてきて、やっとこの日を“晴れ”で迎えられることができて、本当に嬉しい」。
そして、菅沼氏のかけ声で、来場者・スタッフ全員で拳を突き上げ「オーッ!」。
いよいよ幕が開きました。
「ミスターインカム男」とも
言われていた菅沼之雄氏 |
「第1回N-1グランプリ」の受賞者も、
実はこのメンバーの中に
・・・。 |
そこへ乗り込んできたのは「おせっかい戦隊 ゴジュウレンジャー」。多くの企業から資産をむしり取る秘密結社「テイメイサセル団」に悩まされる経営者がいると聞けば、世話を焼かずにはいられない正義の味方です。会場案内やビラ配り、会の盛り上げ役などを率先してお節介して回っていました。
■出展社によるブース展示
103社が出展した愛知県産業貿易館の本館。
スゴい熱気! |
ありとあらゆる業種が軒を連ねるブース展示は、熱気ムンムン! 着ぐるみでアピールする人、商品を縦に横にと積み上げる人、パソコン画面で事業内容を伝えている人など、誰もが楽しみながらの出展。中には、クラフトやネイル、チョークアート、マッサージなどを、実演・体験コーナーを設ける企業も。また、学生団体による障害者福祉施設製造のクッキー販売やAEDの啓蒙を行うNPOも。
マッサージを実演する先でプロレスの試合が。
何とも不思議な光景 |
そして異色は、何といってもプロレス団体!
でら名古屋プロレスに所属するレスラーたちが、文字通り体を張ってPRし、会場を即席リングにして試合を展開。胸板に炸裂するチョップの音が会場中に響きわたりました。
そして、我らがNICe事務局もブース出展。
その場で登録申し込みができるよう準備を整えての参加です。「NICeカラー」であるホワイト&ブルーの旗と幟(のぼり)の注目度も高く、多くの来場者が足を止めて事務局メンバーの説明に聞き入っていました。
NICe事務局も「NICeカラー」で
出展企業の仲間入り! |
■「プレゼンの星」コンテスト
前夜祭で選出された5社が、さらにプレゼン力を磨いて登場!
プレゼン力を評価する「プレゼンの星」を選ぶイベントです。審査員を務めるのは、
007名古屋商法主宰者の岩佐卓氏、コンサルタントの
三輪知生氏、そしてNICeチーフプロデューサーの増田紀彦氏の3人。
【挑戦者たち】
感染症対策研究会の
黒川葉子氏 |
感染症対策研究会
自称「女医コスプレ」で登場!
インフルエンザやパンデミック対策として二酸化塩素の有効性と、それを活用した商品をアピール。
ウロメディカルジャパンの
池山紀之氏 |
株式会社ウロメディカルジャパン
医療用シリコンでつくられたリアルな手と乳房を持って壇上へ。
乳がん発症率などの細かいデータを紹介しながら、人工乳房の必要性を訴えました。
エクセルデントジャパンの
古島雄一郎氏 |
株式会社エクセルデントジャパン
日本の歯科技工士の減少や、マカオなど歯科技工物を海外輸入に頼らざるを得ない現状を踏まえ、歯科技工物輸入と技術指導などの事業を提案。
サイメディックの
松山一代氏 |
株式会社サイメディック
会場内にいい香りを振り巻き、来場者の嗅覚を刺激!
ホテルや医院などにロマを使った空間デザインをと、香りの付加価値を提唱しました。
ケー・エス・ピーの佐野浩司氏
率いるダンサーズ |
有限会社ケー・エス・ピー
メキシカンダンサーズ3人が踊りながら、どこでも貼ってはがせる「貼れルーヤ」を会場中にペタペタ。
即席ダーツ場をつくり、商品力を訴求。
■協力会社PRコーナー
今回の開催に協賛し、グランプリ受賞者への賞品を提供した各社が事業をアピール。筆者の注目は
奥田電気工業株式会社。
イベントスタッフが使用するインカムを提供したのが、この会社。スムーズなイベント進行を支えていたのは「無線」だったのです。同社は、遠く岩手県の人とデジタル無線での交流を実演。
「そんな遠方の人とも交流できるんだ!」と来場者一同、驚きを隠せませんでした。
■「N-1グランプリ」クイズ大会
「ケータイゴング」提供者の久田智之氏 |
NICeシステムプロデューサーの
久田智之氏が提供する「
ケータイゴング」を使ってのクイズ大会。スクリーンに映し出された質問を見ながら、手元の携帯電話で回答する仕組みです。NICe事務局メンバーも参加し、ひっかけ問題に頭を悩ませながらもがんばって回答。回答結果は瞬時に集計されて会場スクリーンに映し出され、これまた一同、驚き!
■特別講演会/NICeチーフプロデューサー増田紀彦氏
「2010年代の展望と、今、私たちが考えるべきこと」
〜つながり力の強化が新たな日本経済を準備する〜
<開発会社は「まったく揺れないイス」を、どこに売ったのか?>
増田紀彦氏は、講演では毎回
その地域の事例を紹介する |
「増田ショーの始まりです!」。そう梶田氏に紹介され、増田氏が壇上に登場。トヨタ自動車のある名古屋での開催ということで、まずは「まったく揺れない自動車シート」を開発した企業の話題からスタート。「その会社は、石がゴロゴロした河原を走っても、まったく衝撃がない画期的なシートを開発し、自動車メーカーに提案したわけです。しかし、コストが高く、その商品は自動車メーカーに採用されませんでした。でも、そこで、あきらめるわけにはいきませんよね? 皆さん、ここからが大事です!」。その自動車シートメーカーはどう転換を図ったのか。答えを模索しながら、食い入るように増田氏を見つめる来場者たち。
「イスではなく、ストレッチャーにして、消防署にその技術を売ったんです」。なるほど、という表情が会場に広がります。「複雑骨折をしたり、脳に損傷をした人を運ぶ際、悪路を通ったらダメージは大きいですよね。納得いく話でしょ。でも、それだけではありません。リニアを活用しているわけです。逆に、ものすごく揺れるイスもつくれるんですよ。この超揺れるイスも売れました。さて、どこに売れたでしょうか?」。来場者のひとりから「製薬メーカー」と手が挙がります。「そう、正解! 酔いどめ薬の開発のため、乗り物酔いの実験で使われたわけです。さぁ、なぜ私がこの話をしているのか。ここに今、皆さんが持っている経営資源をどう生かし、ビジネスを発展させていくか、というヒントがあります」。
<日本の活路は、どこにあるのか?>
第二次世界対戦以後、日本はなぜここまで経済大国になり得たのか――。
「経済大国・日本」誕生の経緯を増田氏はていねいに解説。そして「日本のものづくりは海外で大きく評価されるようになっていったわけですね。自動車でも7割が海外向けです。しかし、昨今の金融ショックによって、それを買ってくれる人がいなくなった・・・。今後もその状況は変わらないでしょう。2010年代は明治維新を超える大転換期となるはずです。だから2009年の今年は大転換期の準備を、ぜひとも皆さんにしていただきたいんです。絶対に活路はあります!」。
明治維新を超えるという増田氏に、ショックを隠しきれない来場者も……。
「では、どうすればいいか。まずは内需の喚起です。国内でつくって、国内で消費していくことです。特に農業。人間が必要なのは、何といっても食べ物です。でも、何も農業をしようという話ではありません。農業に関わることを考えてほしいんです。自動車シートの話を思い出してください。皆さんが持っている技術や知恵などの経営資源を農業に生かし、農家の皆さんを儲からせてほしいんですよ」。ここで、増田氏はIT業界では珍しくない、いわばローテク技術を酪農家に売り込むことで貢献した例、栽培が難しいとされていた「わさび」の栽培装置の開発に岐阜県の会社が成功した例など数多くの事例を紹介。「二次、三次産業に比べて、一次産業には驚くほど技術が投入されていません。二次、三次の人から見たら、そんなことに苦労されていたんですか?ということが一次にはいっぱいあります。こうすれば、売り上げが上げられますよ、また、こうすればコストが下がりますよ、ということを皆さんが提案してほしいんです。それが結果、皆さんのビジネスの活路にもなるわけです」。
出展中のブースを他人に任せて
講演会に参加した人も |
そして、内需喚起と並行して重要な取り組みが、外国人を日本へと引っ張ってくることだと力説。「日本は観光立国基本法を制定し、2008年に『観光庁』を立ち上げました。今になって!?と思いますよね。そうなんです。実は日本の観光業の94%は日本人が落したお金。外国人が日本に観光で来て落したお金はたった6%なんですよ。それだけ魅力ある日本を宣伝していなかったということですね。今までは外国人はモノを売る相手だったわけです。でも、これからは日本に来てお金を落としてもらうしかない。となると、語学、できないといけないですよね。日本のことを外国人に教えられるほど、日本のことも知らなくちゃいけないですよね。外国人に対応して、看板も変えていかなくてはならないですよね。この外国人観光客向けビジネスも一次産業と共に注目すべき分野です。しかし、一次産業や外国人向け観光業とかかわるには、それらが抱える課題を知る必要があります。さぁ、それが2009年、我々が準備すべきことです」。
途中から講演会場に駆けつける人も増え、会場はいつしか立ち見が出るほどに。
<自分の経営資源に、どう気づけばいいのか?>
「かつては、住宅があって、隣にお豆腐屋さんがいて、その二軒先には機織り工場があって……と、ひとつの街にいろんなお店や会社、顔がありました。映画『三丁目の夕日』みたいに。だから、隣の八百屋さんは何が大変か、豆腐屋は何に困っているか、すぐわかったんです。でも今は、商店街、住宅街、オフィス街と地域の役割が分かれてしまった。誰が何に困っているか、わからなくなってしまったんです。だからこそ、あえてわざわざ人とつながっていくことが必要だと言わなければならない。NICeのスローガンでもある『つながり力』。これを強化しないといけません。そういう意味では、今日のこのN-1グランプリは、まさに『リアルつながり力』だといえますよね」。
そして、全国3000人以上の経営者や支援者がつながる、NICeについて解説。異業種の人が何に困っているかを知るだけではなく、なかなか自分では気づけない真の経営資源を、他人の視点を借りて気づかせてもらう大切さも強調。「2009年は、大転換が訪れる2010年代に備えて、つながり力を強化する年にしてください。不況は自然となっているわけではありませんよ。理由があってなっています。今、製造業が打撃を受けていますが、そこから様々な事業へと波紋は広がっていきます。それにどう立ち向かうか、今から準備してください。これを言うのは7回目くらいかもしれませんが(笑)、一次産業と外国人の呼び込み、これにはホント注目です。東海地域は農業資源も国際観光資源も十二分にそろっています。身近にあるチャンスを生かすことができれば、必ず、活路は開けます!」。そう最後に檄を飛ばし、来場者からの大きな拍手で講演が締めくくられました。
■表彰式・閉会式
前夜祭で盛り上がった「イケてる社長コンテスト」参加者の紹介、市民救急とAED普及活動を行う
NPO法人あいちクローバーによるチャリティーオークション開催などの後、いよいよN-1グランプリ受賞者の発表となりました。
【グランプリ】 株式会社ウロメディカルジャパン
【第2位】
株式会社スタートランプ
【第3位】
感染症対策研究会
【プレゼンの星】
有限会社ケー・エス・ピー
【情熱動画大賞】
+デザイン&コミュニケーション
【イケてる社長コンテスト:男性部門】
株式会社S-point 代表取締役 佐々木永年氏
【イケてる社長コンテスト:女性部門】
NLMデザイン代表 坂元誉子氏
医療用シリコンの手と
乳房と共に感激を味わう
グランプリ受賞者・池山紀之氏 |
<グランプリ受賞者>
ウロメディカルジャパン池山紀之氏/コメント
「最初からグランプリを取るつもりで参加しましたが、実際に受賞でき、約束を果たせたと嬉しさでいっぱいです。プレゼンでは、とにかくわかりやすさと市場の可能性の大きさをアピールしました。受賞して格好の自社PRになったんじゃないかな。名古屋は全国でもアクセスがいい場所。名古屋から発信することにこだわり続けていきます」。
「プレゼンの星★」を獲得したケー・エス・ピーの
メキシカンダンサーズの面々 |
「プレゼンの星」「情熱動画大賞」講評/三輪知生氏
「プレゼンの星に輝いたケー・エス・ピーは、外見・情熱・論理・構成・興味の点で抜群だった。ユニークで、商品の魅力がとってもよくわかるプレゼンだったと思います。情熱動画大賞の+デザイン&コミュニケーションは、メッセージ性が圧倒的に素晴らしかったですし、映像に説得力がありました」。
「情熱動画大賞」を獲った
+デザイン&コミュニケーションの
上田聰司氏 |
「N-1グランプリ」講評&総評/増田紀彦氏
「3位の感染症対策研究会は、今後の不安に対して予防医学の観点からアプローチしたビジネス提案ができていた。2位のスタートランプは、何といっても喜び、楽しみの提供。グランプリのウロメディカルジャパンは、体の問題だけでなく、心のケアも行っている事業。非常にわかりやすく、情熱も感じました。東海3県を担う企業のひとつだと思います。この受賞者の方々の事業には、現在を象徴するキーワードがありますね。『不安の解消』『喜びの提供』『体と心の癒し』です。まったく素晴らしい! ここに来場している皆さんも、ぜひこのキーワードから大いに学んでください。先ほど講演でも話しましたが、今日はリアルなつながり力を心底感じることができました。どうぞ皆さん、日々のビジネスにつながり力を発揮して、東海を、日本を、元気にしてください」。
来賓のご挨拶などの後、実行委員長の菅沼氏が再び壇上へ。
最後までトラブルなく進行できたことを報告し、万雷の拍手の中、閉幕しました。
会場の撤去を終えたスタッフ一同は、打ち上げ会場へと移動しました。
■打ち上げ
コメダ珈琲店名物の
「シロノワール」に
感激 |
待ってました!と乾杯し、
疲れたノドを潤す一同 |
NICe事務局一行は、名古屋を代表する喫茶店「
珈琲所 コメダ珈琲店」でひと休み。
名物の「シロノワール」をペロリと平らげてから、打ち上げ会場へ。
打ち上げでは増田氏が音頭を取って、乾杯!
出展者やスタッフそれぞれが、今日一日の成功に思いを馳せながら交流をしていると……、突然照明が落ち、スクリーンに注目!とのアナウンスが。BGMが流れ出し、やがて映像が。会場の設営準備に始まり、たった今おわったばかりの増田氏の乾杯にいたるまでのN-1名場面集が流されたのです。このサプライズに一同、ビックリ&感激!
筆者も思わず目頭を押さえました。映像を突貫工事で製作したスタッフに大きな拍手が贈られたことは言うまでもありません。
そして、最後に実行委員長の菅沼氏から挨拶。
「これで本当に終わったんでしょうか。終わったという気がまだしません。明日になったら、また違った思いで、一日を迎えるんでしょうね」。その素朴な菅沼氏のトークに、男性陣から「スガヌマ!」「カッコイイ!」「よくやった!」などと声援が飛び、またしても目頭が熱くなる筆者。「ミスターつながり力」菅沼氏の真のつながり力を感じずにはいられませんでした。
そして、全員で一本締め! 長く楽しく感動的な一日がこうして終わりを告げました。
多くの「NICeな仲間たち」を
つくったNICe事務局一同 |
今回の「N-1グランプリ」は、まさに増田氏の言う「リアルつながり力」を大いに発揮した集いでした。
スタッフの皆さま、本当にお疲れさまでした。来場されてNICeの仲間になってくださった皆さん、ようこそ!どうぞ素晴らしいつながりを一緒に育んでください。
さぁ、「NICe全国ツアー2008-2009」も、いよいよ終盤です。首都圏最後の横浜市開催は3月7日(土)。また3月13日(金)は札幌市で、3月21日(土)は福岡市で、そしてラストを飾るのは3月29日(日)の大阪市。皆さん、時にはバーチャルなNICeから飛び出し、リアルなNICeで仲間と出会い、つながり力をさらに強化しましょう!
最後に。「N-1グランプリ」の会場でこんな言葉を聞きました。「N-1」のNは、名古屋のNでもあるけれど、日本のNでもあるのだと。おっと、忘れちゃいけないNICeのNもあります。日本のN-1と誇れるようなビジネスや仲間、地域とのつながり力をNICeで培い、「元気ナンバーワン」の日本を一緒に目指していきましょう。
撮影・取材・文/NICe編集委員
石田恵海